2020年初頭のコロナ蔓延来1年が経過し、それより以前のビジネスがどんなものだったか、ますます思い出せなくなってきています。オフィスでの人との関わりが確実に減ってきている中、何か過去に置いてきたものがあるように思います。ワクチンのおかげでトンネルの出口が見えたようにも思えますが、その光が照らすものは、過去の例にならうものではありません。2021年の7つのテックトレンドは、その光への旅に影響を与えるだけでなく、さらにその先に影響を与えています。
つまり、7つのテックトレンドは、ビジネスのずっと先を行っています。コロナ後の世界を生き抜くのに、7つすべてが必要になりました。しかし、数十年前のインフラでは、生き抜くことはできません。この一連のブログにおいて、クラウド上の次世代化がいかに7つのトレンドを採用するにあたってその礎となっているかということをお話ししています。我々はすでに、カスタマーエクスペリエンス(CX)、データ統合、デジタル文化、デジタルイノベーション、コンポーザブル・エンタープライズ、オートメーションに取り組んできました。本ブログでは、最新トレンドであるマイクロサービスとサービスメッシュを見ていきたいと思います。
マイクロサービスは、少なくとも2009年から存在します。最近、大手テクノロジー企業がマイクロサービスへの移行を発表していますが、業績も好調です。これは、彼らが大規模になりすぎて急な変化を起こすことが困難になったときに、問題が多く発生したモノリシック・アプリケーション・アーキテクチャに関して、様々な問題を解決したからです。では、マイクロサービスとは、一体何なのでしょうか。
マイクロサービスとは、「サービスの集合体としてアプリケーションを構築するアーキテクチャのスタイルの1つ」と Microservices.ioは定義しています。ソフトウェアの機能は、特定の独立型タスクに個々に責任を負う複数の独立モジュールに別れています。各モジュールは、シンプルかつ広く実施されているアプリケーションプログラミングインタフェース(APIs) を通して相互通信しています。その結果、モノリシック・アプリケーション・アーキテクチャと違って、1つのチームの変化がアプリケーション全体に影響を与えることはありません。マイクロサービスは仮想マシンかコンテナでデプロイされますが、コンテナが、マイクロサービスをデプロイするにあたって最良の方法になりつつあります。
Amazonは、マイクロサービスのパイオニアです。アマゾンは、新たな特徴と機能を迅速に処理できるもっと堅牢なアプリケーションを望んでいました。そのため、モノリスから完全に分散型のアーキテクチャへと移行しました。また、Netflix(ネットフリックス)もパイオニアと言えます。Netflix(ネットフリックス)は、次世代のマイクロサービスアーキテクチャの中でも最も知名度の高いものの1つ(1日に約20億APIエッジリクエストを処理でき、500以上のマイクロサービスにサポートされているAPIゲートウェイを特徴とするもの)を作り上げました。
Netflix(ネットフリックス)の例が示すように、マイクロサービスの世界では、アプリケーションは数百ものサービスから成り立っています。各サービスには、数千ものインスタンスが存在します。コンテナのデプロイする方法が利用されている場合、クバネティスのようなコンテナ・オーケストレーションシステムは、絶えずインスタンスを変えています。このことが非常に複雑な“サービスツーサービス・コミュニケーション”を作り上げており、ランタイム中のマイクロサービスには不可欠なものとなっています。
エンドツーエンドのパフォーマンス、信頼性、安全性を確証するために、組織はますますサービスメッシュに目を向けており、アプリケーションレイヤーではなく、プラットフォームレイヤーにアプリケーションを挿入することにより、可観測性、安全性、信頼性をアプリケーションに追加しています。その結果、アプリケーションがこれらの特性を実行する必要も、サービスメッシュを認識する必要さえありません。
Lyftは、独自でデプロイするサービスメッシュを使用する米国企業です。初期のころに登場したLyftのサービスメッシュであるEnvoyは、アプリケーションの外にあるプロキシーを通して、サービス間の通信を可能にしました。Envoyは、TCP/IP プロキシー、 HTTP/2 ベースのL7フィルターアーキテクチャ、サービスディスカバリーおよび能動的/受動的健康チェック、ロードバランス、認証と認可、可観測性といったL3/L4フィルターアーキテクチャをサポートしています。 また、マイクロソフト、HP、ウォルマート、ノードストロームもLinkerdと呼ばれるまた別のサービスメッシュを使用しています。さらにCash App、eBay、 Giphy、Intuitは、 GoogleとIBMの共同メッシュサービスであるIstioを利用しています。
マイクロサービス、サービスメッシュ、コンテナ、そしてクバネティスを利用すれば、顧客や消費者に対して差異化したデジタルサービスを提供することができます。こういった技術革新は2022年までに70%の企業組織で実行されるであろうと、ガートナーは予測しています。これらの利用がデジタル変革の重要な側面であり、顧客経験やオートメーションなどほかのテックトレンドを現実化するのに役立つでしょう。
注目に値すべきは、こういった次世代アプリケーションストラクチャは、過去のインフラ向けに作られたものではないということです。マイクロサービスもコンテナも、仮想マシン上で実行できますが、より効率が良く、拡張可能で、クラウドでは強力です。また、クバネティスやサービスメッシュはクラウドが必要です。そのため、古いメインフレーム、時代に合わなくなったアプリケーション、ライセンスコストが高く柔軟性のないデータベースなどを保有するオンプレミスのデータセンターは、次世代のアプリケーションストラクチャの使用が限られてくるでしょう。
つまり、使用中のメインフレームや時代に合わなくなったアプリケーションを、マイクロサービスやサービスメッシュなどに向けて設計されたクラウドインフラへ移行すべきなのです。そのためには、過去を次世代化するプラットフォームが必要です。このプラットフォームで、アプリケーションを再フォーマット、コードチェンジ不要で、ユーザーインパクトのないクラウドベースの環境へと移行させるのです。ひとたびその環境に入れば、アプリケーションを現代化し、それをさらに高速で反応性が高く柔軟なマイクロサービスに分割することで、独自のサービスメッシュも設定できます。サービスメッシュによりマイクロサービスのアプリケーション間でデータ共有できるようにするためには、クラウド上にある次世代のRDBMSを検討することも必要です。
TmaxSoftの2つの製品、OpenFrame とTiberoは、過去を次世代化するプラットフォームとRDBMSを提供することができますので、まずはマイクロサービスとサービスメッシュを、自身のデジタル変換戦略の一環に組み入れる必要があります。どちらのソリューションでも、アプリケーションストラクチャをクラウドへ容易に移行することができます。現代化戦略に関する当社の定評をいただいているeBookをご覧になり、自身の過去のアプリケーションを次世代化することを学んでいただき、オンプレミスのアーキテクチャからの脱却を図っていただきたいと思います。
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