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情報技術開発株式会社



本社所在地:〒163-6013 東京都新宿区西新宿6-8-1 住友不動産新宿オークタワー
創業:1968年
事業内容:情報技術開発
適用ソリューション:OpenFrame


大規模メインフレーム環境を約15カ月で移行
脱ホストを実現したホストマイグレーション

1968年の創業以来、ソフトウェア開発、情報処理サービス、データセンターサービス、組み込みソフト開発などを事業として展開する情報技術開発(以下、tdi)。独立系SIer企業であるtdiでは、Tmax OpenFrameを活用したホストマイグレーションの実績があり、その経験とノウハウを生かしたソリューションの提供を強力に推進している。

脱ホストの有効な選択肢となるホストマイグレーションとは

情報技術開発は、東京、横浜、大阪、名古屋、福岡の拠点のほか、京都のデータセンター、中国・大連のオフショアセンターなどで、ソフトウェア開発・保守を中核に、情報処理サービスやデータセンターサービス、組み込みソフト開発などの事業を展開。その一環として、Tmax OpenFrameを活用したホストマイグレーション事業に取り組んでいる。

tdi 東日本事業部 プロジェクト推進担当 上席PMの赤瀬 克己氏は、「メインフレーム(ホスト)ユーザーは、なかなか脱ホストに踏み切れないという課題を抱えています」と語る。理由として、メーカーに任せきりのシステムのため自社で正しい棚卸ができない。Open化の手法が様々あり、自社に適した方式を選定できない。基幹系システムのため安易にOpen化に踏み切る勇気がない。などの理由が考えられる。

赤瀬氏は、「脱ホストを実現するためには、既存の資産をどれだけ有効活用できるのか、移行に対してどれだけの工数と時間がかかるのかが評価の重要なポイントになります。そこで脱ホストにおける課題を解決するための選択肢の1つとして、ホストマイグレーションを推奨しています」と話している。

一般的なシステム開発とは違うエンジニアリングプロセス

ホストマイグレーションを実現するためには、どのようなプロセスで作業を進めていけばいいのか。ホストマイグレーションの進め方は、「計画フェーズ」「分析フェーズ」「実施フェーズ」「保守フェーズ」であり、「基本設計」「詳細設計」「開発」「テスト」という一般的なシステム開発のエンジニアリングプロセスとは少し異なっている。

それぞれのフェーズにおいて一般的な開発手法との違いを理解し、効率的にホストマイグレーションを進めるノウハウを持ったSIerを利用することが、お客様の成功への近道です。

赤瀬氏は、「ホストマイグレーションでもっとも重要なのは分析フェーズです。資産分析、移行性確認(POC)、移行方式定義の良し悪しが、ホストマイグレーション全体の品質を担保する指標の1つになります。tdiでは、これまでのホストマイグレーションの経験から、移行方針決定書を作成するための数多くのノウハウを蓄積しています」と話している。

大規模メインフレーム環境をTmax OpenFrameでマイグレーション

ある某物流大手企業では、2台のメインフレームとネットワークデータベース、およびVSAMファイルなどで構成される基幹システムを運用していた。この基幹システムには、対外系システムとして、日本全国の拠点に180台のオフコンがつながっていた。このメインフレーム環境のホストマイグレーションに、Tmax OpenFrameが採用されている。

このメインフレーム環境では、約4万7,000本のCOBOLプログラム(バッチ処理)、約300本のアセンブラ(バッチ処理)、約2,800本の拠点間AIMアプリケーション通信プログラム、約400本のAIM画面プログラム(PSAM/MED)、約4,100本のIPF画面プログラム、約3,900本の帳票(オーバーレイ)などのプログラム資産が運用されていた。

また、約5万2,000ファイルのSAMファイル、約3,000ファイルのVSAMファイル、約70ファイルのDAMファイル、17年分、約1万4,000本のテープデータなどのデータ資産も管理されていた。これらの資産を、Tmax OpenFrame OSAやTmax OpenFrame Batch、Tmax OpenFrame Base(TPモニタ)などを活用し、Linux上でそのまま利用できる環境を実現した。

今回のプロジェクトは、資産管理チーム、資産移行チーム、移行チーム、運用チーム、インフラチームで構成され、最大約150名体制でホストマイグレーションを推進。約3カ月の移行計画フェーズから約5カ月の移行作業フェーズ、約7カ月のテストフェーズ、そして本番稼働まで、約15カ月で実施された。

赤瀬氏は、「今回のプロジェクトにおける反省点は、テストフェーズの期間が必要以上に長くなったことです。ホストマイグレーションの期間と工数を短縮するためには、最初のフェーズで、テストする品質と指標を決め、どれだけのテストをするのかを明確にしておかなければなりませんでした」と語る。

このプロジェクトから学んだホストマイグレーションを推進する上でのポイントは、大きく3つ。1つめに、COBOLやOS/ミドルウェアのコマンド、外部接続などの「非互換の項目の抽出と代替方法」を明らかにすることであり、非サポート機能のマイグレーション方法を事前に決定しておくことが重要になる。

2つめに、EBCDICからASCIIへの変換や漢字コード(拡張、外字)などの「コード体系(文字コード)」の違いである。これにより、ソートの実行結果や画面や帳票の表示、文字化け、罫線のズレなどの不具合が発生する。そこで事前にコード体系を決定したり、JCLのソート順を確認したり、外字の問題をクリアしておくことが必要になる。

3つめに、テストの網羅性や処理結果の照合などの「マイグレーション、テストの品質」である。テストを多くすれば品質も向上するが、テストを多くすれば、工数や期間、コストが増大する。そこで、ロジックや業務テストにおける網羅性や効率性を事前に確認するとともに、既存のシナリオやデータを活用することが有効になる。

赤瀬氏は、「今回のプロジェクトは、ティーマックスソフトの研究開発部門に協力してもらい、必要な機能の開発など、適切なサポートを得られたことも成功の要因の1つです。ホストマイグレーションは、簡単なプロジェクトではありませんが、プロジェクトの進め方を明確にすることで、必ず実現することができるのです」と話している。



情報技術開発株式会社
IT基盤戦略部
東日本事業部 プロジェクト推進担当
上席PM (当時)
赤瀬克己


Tmax OpenFrameのご紹介

Tmax OpenFrameは、メインフレームシステムのアプリケーション、プロセス、及びデータを抽出して柔軟なオープン環境へのマイグレーションを実現する「メインフレーム・リホスト・ソリューション」です。ビジネスロジックやアプリケーションロジックの変更なしで、メインフレームのプラットフォームからUNIXプラットフォームへのシステム全体のマイグレーションを可能にします。

Tmax OpenFrameは、企業様のビジネス環境の変化に迅速かつ柔軟に対応できるシステム構築を可能にします。

Tmax OpenFrameが解決する課題

  • メインフレーム基盤システムの管理維持コストの削減
  • アプリケーション新規開発の時間的・コスト的な負荷
  • マイグレーションの難しいアプリケーションを、できる限り企業様の負担なく移行
  • 目まぐるしいビジネス環境の変化やユーザーニーズの多様化に対応
  • メインフレームによるシステム全体のパフォーマンス低下を改善
  • 将来的なリビルドを効率的に実現

Tmax OpenFrameの特徴

  • 当社のリホスト・ソリューションは、性能や安定性に対するサポート体制が万全であるため安心です。
  • 全てのアプリケーションやデータ、ユーザインタフェースなどをオープン環境にマイグレーションできます。
  • 「ジョブ制御言語」(JCL)を 付加的な変換作業なしで処理することができます。
  • 現在および将来の、手間・時間・コストを大きく削減することができます。
  • 他システムとの連携及び拡張性に優れています。
  • メインフレーム基盤のアプリケーションで使用されていた、ビジネスロジックのアドバンテージを継承し、有効に活用します。
  • メインフレームより便利なGUI方式で、システムの各種状況をまとめてモニタリングできます。

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