照明、家具、輸入家電など、機能とデザインにこだわった商品を幅広く取り揃え、常に新鮮な生活を提案する総合インテリア企業 ヤマギワ株式会社。同社は21世紀に入って決断した事業の選択と集中を好機として、企業情報システムの刷新を計画しました。さまざまな角度から検討した結果、同社はメインフレーム上のプログラム資産をオープンなプラットフォームへ移行するリホストソリューションを選択。そこで採用されたのは、メインフレーム上の全プログラムをほとんど書き換えることなくオープン環境へ移行できる、日本ティーマックスソフト株式会社のOpenFrameでした。
数年前、同社はビジネス上の大きな方向転換を行いました。それは現在の業態を選択したことです。他社家電量販店と同様に様々な一般の家電製品を大量に販売する事業形態から、機能とデザインにこだわった上質な製品をお客様に提供する、いわゆる“量より質”のビジネスモデルへの転換を行ったのです。
同社は過去20数年間にわたって、メインフレームを中心にその環境を構築してきました。メインフレームは処理能力に優れ、稼働に高い安定性が期待できる反面、ハードウェア、ソフトウェアの調達費用、保守費用が高止まりしてしまい、ビジネス要件の変化に応じたシステム変更の柔軟性、拡張性に乏しいというデメリットもあります。ビジネスモデルの転換に伴い、自社の業態サイズに適正なシステム規模の検討、また外部システムとの連携という課題を解決するために、事業再編を機に企業情報システムの抜本的な改革を行うことになりました。
同社が最初に考えたのは、ERPの導入でした。これまでの業務の進め方をパッケージに合わせることも視野に入れながら、あらゆる角度から検討した結果、これはうまく機能しないだろうという結論に至りました。ヤマギワのビジネスには、オリジナル商品を企画・開発するメーカーの側面もあれば、メーカーから商品を仕入れて流通事業者に販売する卸売業としての側面もあります。その一方で、東京・秋葉原や青山などを始め、全国で自ら小売店も展開しています。いわば商流の上流から下流までを一手に引き受ける企業のビジネスプロセスを網羅したERPパッケージは、存在しませんでした。ERPパッケージにカスタマイズを施すという方法も考えないではありませんでしたが、それが非常に広範囲に及ぶことが予想されたため、実行は現実的ではありませんでした。
ヤマギワ株式会社支援本部経営管理担当 マネージャー板橋純一氏は、検討当時の思いを次のように語っています。
「メインフレームは、何か機能を付加したい、あるいは整理・統合したいと考えたときに、大きなシステムであるがためにそれを実行に移すのが非常に大変でした。また、一度検討したERPは、四角い空間に丸を収めるような感覚の作業で当社にはまったく合いませんでした。」
ヤマギワ株式会社
支援本部 経営管理担当 マネージャー
板橋純一氏
同社はあらためてシステムの方向性を検討し、メインフレーム上のプログラム資産をオープンなプラットフォームへ移行するリホストという方法を採用することにしました。システム刷新を決断してから時間が経過していたこともあり、新システムは迅速に立ち上げる必要があったからです。ストレートコンバージョンによるリホストを選択することで、短期構築の実現を見込むことができました。市場で提案されているさまざまなソリューションを比較検討した結果、ヤマギワが選択したのは、メインフレーム上の全プログラムをほとんど書き換えることなくオープン環境へ移行できる、日本ティーマックスソフト株式会社のリホストソリューションOpenFrameでした。
OpenFrameはビジネスロジックを変更することなく、メインフレームのアプリケーションなどのリソースを柔軟で効率のよいオープンプラットフォームに移行することができます。また、高度なJCL処理エンジンを保持しているため、メインフレーム上のJCLも変更なしでオープンシステムに移行することが可能です。
リホストソリューションとしては、すでに世界的に評価の確立した製品で、強力なエンタープライズレベルのTPモニタTmax搭載により、オープンシステム上においてもメインフレームとまったく遜色のない、あるいはそれ以上の性能や安定性を発揮します。さらに、分析・移行・テストのプロセスを自動化するツールとユーティリティを有し、手動によるエラーを抑え、スムーズな移行をバックアップしています。
2007年9月、Linuxプラットフォームに移行された新しい情報システムは、本稼働を開始しました。従来と比較してオンライン処理に関しては約20%レスポンスが向上し、ひと月あたりのシステム維持コストも、回線コストこみで約3割の削減が実現しました。同社の情報システム運用を担当している株式会社シーイーシーでは、メインフレーム運用時のスタッフがそのまま業務にあたっています。
株式会社シーイーシーソリューションビジネス本部第一ソリューション部主査長妻栄一氏は、リホスティング後の運用状況を次のように語ります。
「今回、メインフレームからLinux環境へとプラットフォームが大きく変わりました。最初はデータのハンドリング方法などがどう変わるのかと、正直不安に感じたところもありました。確かに、OSに関する知識など新しく覚えることはありましたが、運用のアプローチはそれほどメインフレーム時代と変わっていません。
システムはマイグレーション実施時に行った棚卸しも手伝い、プログラムアベンド等が少なくなったとともに、お客様の担当者の方から“オンライン処理が遅いのですが何かありましたか?”といった声が聞かれなくなりました。
また、メインフレームの1/10のコストで、非常にスペックの高いハードウェアが利用できるため、充実した開発環境、テスト環境をまったく別に持てるようになりました。従来は、メインフレームのオンライン処理に影響を与えないよう、夜間に限って作業を行うことも多々あったのですが、そのようなケースもかなり減少しました。メインフレーム時代はディスクなどのリソースが限られていたため、こまめに領域監視を行いながら対策をとる必要がありましたが、それほど神経質にならなくてもよくなりました。」
株式会社シーイーシー
ソリューションビジネス本部
第一ソリューション部 主査
長妻栄一氏
また、株式会社シーイーシーソリューションビジネス本部第一ソリューション部小林誠氏は次のように語ります。
「オープンシステム環境はツール類が充実しているため、保守作業がやりやすいですね。たとえば、ソースを直す必要がある場合など、市販のエディタを利用して、修正によって影響を受ける範囲を検索して調べることができ、メンテナンスの効率が向上しました。」
同社は現在、BtoBビジネスを担当する営業部隊向けの支援システムなど、同社のコアコンピタンスをさらに生かせる新規システムの構築を検討中だそうです。これも最新のシステムを柔軟に使いこなすことができるOpenシステム環境がインフラとして備わったからこそ実現性が高まったと言えます。
ヤマギワの21世紀ビジネスを、インフラで支えていたのは日本ティーマックスソフトのOpenFrameでした。
Tmax OpenFrameは、メインフレームシステムのアプリケーション、プロセス、及びデータを抽出して柔軟なオープン環境へのマイグレーションを実現する「メインフレーム・リホスト・ソリューション」です。ビジネスロジックやアプリケーションロジックの変更なしで、メインフレームのプラットフォームからUNIXプラットフォームへのシステム全体のマイグレーションを可能にします。
Tmax OpenFrameは、企業様のビジネス環境の変化に迅速かつ柔軟に対応できるシステム構築を可能にします。
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